とっておきのこの人は、八王子市職、臨職組合、公共労、退職者会の皆さんにご参加いただいているシリーズです。
私たちの組織は、各団体を合わせると4000人を超える大きな集まりとなります。組織が大きくなると、一人一人の組合員や会員の声が小さくなりがちです。そこでお互いに理解し合い、分かち合う気持ちを大事にするため、敢えて毎回お一人づつご紹介をさせていただいております。趣味や生きがい、仕事のこと、地域活動などいろいろ語っていただいております。

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 常に前をみている人である。
 八王子百景、新八王子百景、甲州街道七二景など街道沿いの街並みや自然を描きつづけてきた。
「私は陣馬街道沿いの横川町に昭和10年(1930年)に生まれました。戦後の苦しく、貧しい青年時代に一筋の夢や希望を抱かせた道が陣馬街道だったんです」しかし「日本列島改造などで開発が進み、様相が一変してしまいました」「今がすべてではない。失われた故郷の原風景に、未来につながる大切な価値があるはず、といつも思い続けているんです」…熱き思いはそのまま絵筆に伝わるのだろう。
 今、「陣馬街道の今昔」として35点の絵画にまとめられつつある。アトリエは自宅の別棟二階、異次元の空間のようだが実は「近所の溜まり場で、壁の絵は癒しの香辛料」と軽く話す。「多くの画家はアトリエに人を入れないんですよね。しかし、アトリエをみんなの交流の場にしたいという思いがあるんです。そこに人が集れば、色々な話が聞けるから」と語る。
 定年後、すでに10年が経つが、絵はもちろん、渓流釣りにカラオケ、自宅アトリエでのホームパーティなど、いわゆるコミュニティづくりで満喫の人生を送っている。
 コミュニティが失われつつある現代社会に話を向けるとさらにヒートアップする。「実は陣馬街道の今昔というテーマは、横川小学校ができた時、学校がたつ前に何があったの?…という子どもたちの疑問に答えようと思ったのがきっかけ」と話す。人と人の横のつながりとともに、時代継承という縦軸が失われていることに、陣馬街道の今昔の出発点があるようだ。
 ところでこの思いは、八王子の街の姿や人々の生活感を残そうとの発想で組合機関紙の表紙に掲載している「街かどシリーズ」にも共通する。「街かどシリーズは本当にいい企画ですね。いいというより大事な取り組みだと思います。私の絵も、結局街かどシリーズかもしれません」と率直な心情を吐露した。「陣馬街道の今昔」を一日も早く見たいものである。

石井さんのアトリエで説明を受ける藤岡委員長

 

(「ざ・はぴねす」92号/2006.2.17)


 

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