(項目をクリックして下さい)
【2002年】
● 協働作業が地域の共生を創り出す  (2002年1月)
● 福祉作業所クレヨンハウス (2002年2月)
【2006年】
● NPO法人八王子ワークセンター 金曜かてかてショップ・オープン (2006年4月)

 

協働作業が地域の共生を創り出す 



全員で働く実感が社会性を養う―いちょう作業
▲作業所での作業

 
 いちょう作業所は、長沼町の長沼通所センターの中にあり、現在18〜47歳までの26人が通所しています。
 知的障害児をもつ親が障害児(者)の働く場所の確保と身辺の自立、生活訓練、能力に応じた社会的自立を目指して1981年に開所しました。
 作業所での作業は、買い物袋づくりや菓子箱折り、空缶回収、ショッパーの配布などの他に、市からの受託事業として夕やけ小やけふれあいの里や片倉城址公園の清掃作業を行っています。
 菓子箱一つ2円、買い物袋一枚3円60銭、ポケットティッシュの広告入れ一つ1円という単価で仕事をしています。単価が高い作業は納期が短いため福祉作業所で行うのは難しく、納期が緩やかで通年仕事がある作業が福祉作業所に向いています。

 作業がどうしても遅いため一日でこなせる数も限られてしまいます。そのため作業所で働いて一ヶ月に得られる賃金は4〜5千円位で1万円以上稼ぐことができる人は稀だそうです。
 しかし、企業の下請けとして働いているわけではないので、高賃金を求めて仕事に追い立てられることを望んでいるわけでもありません。むしろ「全員が働いたと実感できる仕事」を目指し、自分のペースにあった仕事をそれぞれが行っています。
 現在、いちょう作業所は市内に6か所、通所訓練施設が一か所あります。
 作業だけでなくクリスマス会や誕生会、遠足などを行いながら集団生活の中で社会性を養成しながら働いています。

 

超美味―スモークチーズづくりが得意
     障害児の通所訓練施設―ぱすてる
▲今日はエアロビクス


 「ぱすてる」は、障害を持つ児童(18歳まで)が、放課後に通う通所訓練施設です。
 鑓水から松が谷までの由木地区に住む障害を持つ小学校6年生から高校2年生まで15人が現在通所しています。
 公設の学童保育所では、小学校3年生までの受入れをしています(現在学年延長、受入れ児童数の拡大について協議中)が、ぱすてるに来る子どもの多くは、公設にいる子どもより障害が重かったり、高校生まで通所できる利点を選んだ子どもたちです。
 ぱすてるは「マイペース」をモットーに野菜づくりやエアロビクス、ヨガ、和太鼓の練習、お菓子をつくったり、スモークチーズ(文化祭で大評判!)をつくったりと毎日違うプログラムを用意し、子どもたちが自由に楽しく過ごせる学校でも家庭でもない「子どもたちの場所」です。

 由木学童保育所のすぐ近くということもあり、私がお邪魔した日も、学童保育所に棕櫚(シュロ)の葉を貰いに行きました。一緒に行った子どもは、すぐに学童の子どもと遊び始めました。屈託のない笑顔を見ると、子どもの世界の素晴らしさを改めて実感しました。
 障害の無い子どもたちでさえ、学童保育は需要が供給を上回っています。ましてや障害のある子どもたちのニーズに応えることができていないのが現状です。公設の学童にもぱすてるのような施設にも行けない子どもは親が見るしかありません。年齢と共に体も大きくなり、逆に親の体力は落ちていきます。母親だけ子どもの面倒をみるには負担が大き過ぎます。
 福祉施設の多くはボランティアによって支えられています。地域社会の協働によって子育て・子育ちができる環境を私たちの手で創りだしていく必要があります。

組合売店(本庁)で作業・研修
  顔を合わせたら一声かけて下さい
▲楽しいおやつの時間

 八王子市職では、市民との協働作業の必要性を訴え、一部で実践してきました。
 今回紹介したいちょう福祉作業所をはじめとする市内の福祉作業所から研修という形で売店に研修生を受け入れています。
 障害を持つ人たちが就労することは、容易ではありません。不況下で日本中に仕事がない状態が続いていますが、景気のいいときでさえ、障害を持つ人たちが仕事に就くことは簡単ではありません。社会性や労働の喜びを身につけてもらえる程、受け入れ側の体制が整っているとは言えませんが、アルバイトの経験もない人たちが作業所以外で働くことは貴重な財産となり、作業所以外で働くステップとなっています。
 接客を始め不慣れな面がありますが、売店利用者の皆さんのご理解をお願いします。

組合事務所では四中実習生を受入れ
▲売店職員と研修生

 
 また、ここ数年第四中学校の3年生を実習生として受け入れています。
 組合事務所で、書類の整理や青年部のカレンダー配布や文化祭の準備などを手伝ってもらっています。
 四中からの実習生も、見ず知らずの大人たちに混じって仕事をすることは、初めての経験です。緊張しながら、指示された作業を行い、2週間の作業実習を行います。
 昨年来た実習生は、「初めて働いて、お父さんの苦労がわかった」と言って実習を終えました。学校では経験できないことを一つでも感じて欲しいと思っていたので、実習生の口から出た言葉で今までやってきたことが報われたような気がしました。
 障害を持つ人にとって就労は大きな壁であり、どうしても作業所という小さな社会で暮らすことになってしまいます。
 大それたことは言えませんが、働きたくとも社会が働く環境を生み出せない多くの方に働く経験の場を提供させていただき、自分たちの社会以外の社会を経験してもらいながら私たちも一緒に成長していければと思っています。

*     *     *

 組合では地域や市民団体・障害者団体との協働を目指し取り組みをすすめてきました。
 まだ、満足できる成果があがっているとは言えません。しかし、少しづつですが協働作業が実を結びつつあります。
 今回は、取り組みの中間報告的に「いちょう作業所」「ぱすてる」を取材させていただきました。合わせて、組合の取り組みを掲載させていただきました。


●レポート 滝口執行委員

(機関紙「はぴねす」45号/2002年新年号)
▲top (上のメニューに戻ります)