有料化・全戸戸別収集でごみ減量・リサイクル社会は実現できるのか?


(1)現在問題となっている、一般ごみ収集の有料化と全戸戸別収集について、とくに戸別収集は他市の実施例など話題になることはありましたが、行政区域が180平方キロと広域で人口53万を超える八王子では現実性のないものとして議論の対象にもなっていませんでした。しかし八王子市当局は昨年8月、突然組合側に「2004年10月から有料化と戸別収集を実施したい」との考え方を示しました。

(2)これに対して組合側は、「労使間の協議や検討さえもまったくされず、それどころか20万世帯、53万市民の意向さえ何ら調査せず、はじめに実施ありきのやり方は、市民参加・協働の街づくりをも否定するもので、絶対に認められない。内容と同時に実施プロセスそのものについても強く反対する」とし、当局側の姿勢を質しました。

(3)これを受け当局側は、「労使間の協議と検討が不十分なことは事実であり、遺憾である。その立場に踏まえ、今後労使検討会で継続的に協議したい」としました。しかし、検討会で組合側が次々と指摘する矛盾や問題点について、当局側は合理的な見解と対応策を示すことができず、「問題の先送り」を続けるばかりとなっています。また、現場実態の調査や実施にあたってのバックデータなどほとんどなく、政策転換の根拠に乏しいズサンな政策判断である実態が明らかになってきました。
▲「一言あります」
 現在清掃工場への持ち込みゴミは有料です。当局は指定袋の持ち込みゴミも有料とするのでしょうか?…こんなこと許せません。
(4)ごみ収集の有料化は、市が指定するゴミ袋(通常40リットルで1枚70円程度)で収集する方法を取り、経済的負担でごみ減量を誘導しようとするものです。しかしこれでは、地球環境保護・リサイクル社会の創造といった街づくりの社会的な価値醸成につながるとは言えません。むしろ下図のように、価格設定によっては新たな矛盾が発生したり、経済情勢でゴミ量が左右されるなど不安定要因を多く抱えています。(ごみ減量に努力した市民は経済的負担が少なく、努力しなければ負担が強いという意味での公平性はありますが、消費税的逆進性の問題もあります)



ごみ減量リサイクルは事業者・市民・行政の 共同責任、協働作業で実現を
一般ゴミ収集有料化は本質的な解決策ではない

問題だらけの全戸戸別収集
組合側はかねてから独居高齢者、障がい者世帯などの
タテ割りを超えた訪問収集を提案

(1)当局側は戸別収集で「自己責任を明確にさせる」と言っていますが、宅地造成と同時に自己負担で集積所を作り住民が協働で管理しているものがたくさんあります。これ以外にも「ゴミを出す側の自己責任で管理されている集積所」が大半を占めています。ゴミ集積所は減量・資源回収、そして環境保護のためのコミュニティの拠点なのです。

(2)住宅事情や家族構成、道路状況など無視した画一的な戸別収集は、早朝出されたゴミが夕方まで玄関前に放置されたり、玄関前の道路に出さざるを得ない、収集作業のため片側一車線では渋滞が、また狭隘道路では交通不能状況が生み出されるなど、解決できない新たな問題が発生します。

(3)9月以降、労使の検討会を続ける中で、集合住宅、ファミリーボックス、収集車が入れない地域などは戸別収集から除外するという方針が明らかにされました。当局側の調査によると、集合住宅だけでも全世帯数221,203に対して107,526世帯、48.6%を占めることが明らかとなりました。つまり当局側が戸別収集で自己責任を明確にさせると言っても,過半数は対象外で公平性や自己責任論自身が成り立ちません。

(4)組合側が最も問題にしているのは、「はじめに結論ありき」の姿勢です。黒須市政は基本構想策定段階から市民参加・市民協働を標榜し、組合側もそれを支持しました。しかし今回の政策決定はこうした考え方に大きく逆行しています。当局は市民の意見を聞いているといっても、方針を決定した後の説明会であり、町会組織を中心に73回約2,000人(この中でさえ戸別収集に対する問題点が指摘されています)の参加でした。
 これに対して民間の八王子自治研センターが実施した10万世帯の調査では、約13,000世帯から意見が寄せられ(回収率13%とい結果を見ても市民の関心の高さがうかがわれます)、そのうち戸建て住宅居住者の80%が「現在の収集方法でよい」と回答しています。

▲「一言あります」
  組合側の高齢者や障がい者宅の訪問収集提案を「福祉事業だからやらない」といった当局の回答は撤回すべきです。

八王子自治研センターの調査結果概要
●10万世帯にアンケート用紙を配布し13,025通の回答
 (2004年1月14日現在)
●意見・提案・要望などの書き込み約6,048件(現在集約中)

■有料化でごみは、減る…4,115(31.6%)
         一時減るがまた増える…5,533(42.5%)
         減らない…2,771(21.3%)
■有料化に、   賛成…1,326(10.2%)
         止むを得ない…5,587(42.9%)
         反対…5,439(41.8%)
■ごみ収集の方法 これまでどおり…10,840(83.2%)
         戸別収集…1,674(12.9%)
  ◎戸建て住宅 これまでどおり…79% 戸別収集…17%
  ◎集合住宅  これまでどおり…92% 戸別収集… 4%
■60歳以上で戸別収集を希望する
        …6,137世帯のうち15%(920)が希望

(機関紙「はちおうじ」421号/2004.2.16)
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