11月10日回答案が示されました。
賃金確定闘争 回答案が示される!
2023賃金確定闘争は2023年度の賃金を確定させる重要な取り組みです。今年の春闘については市職も連合に結集し取り組みを進めた結果、連合春闘の民間賃金の平均賃上げ率は3.58%と30年ぶりの高い水準の賃上げとなりました。
しかし、厚生労働省が7日に発表した毎月勤労統計調査によると、今年9月の実質賃金は前年同月比2.4%減であり、18か月連続のマイナスとなっています。これは賃上げが実現しているものの、賃金の伸びが物価高に追いつかない状況が続いているためです。
賃上げ 物価高騰に追いつかず!
人事院は8月7日国家公務員について月例給を3,869円(0.96%)一時金を0.1月引き上げる給与勧告を行いました。10月13日には私たちの給料表の参考にされている東京都の職員給与等について、東京都人事委員会による勧告が行われました。勧告では公民較差3,569円(0.88%)を解消するため、人材確保の観点から初任給層(Ⅰ類B 8,300円、Ⅱ類7,900円、Ⅲ類7,900円引上げ)に重点を置きつつ、全級全号給を引き上げるとしました。一時金については民間の支給月額が都職員の支給月数を0.08月上回るとしましたが、考課査定分の割合等を考慮するとして、0.10月を勤勉手当で支給することとしました。
月例給等については賃上げが示されたものの、物価の高騰にはとうてい追いついていません。そして人材確保の観点からも行われた若年層の賃金の引き上げは満足できるものでなく、人材確保につながるのか疑問が残ります。高年齢層の月例給の引き上げは500円程度であり、とても物価高騰に見合ったものとは言えません。さらに一時金については、国の勧告が期末手当と勤勉手当に振り分けられたのに対し、都人勧では勤勉手当のみに配分されたことは、一時金が期末手当しか支給されていない会計年度任用職員の期待に反する内容です。
職員の安全と健康を第一とする職場環境を!
11月1日に渡辺新委員長から木内副市長に対し要求書を手渡し、職員の労働条件について更なる改善を求めました。委員長からの発言は次のとおりです。
【委員長】
連合春闘はこの10年余りの間では最も高い賃上げとなった。東京都人事委員会勧告も昨年に引き続き一時金、給与共に引き上げとなった。しかし物価高騰には追いついておらず、職員の暮らし向きは楽になるとは言えず、手放しに喜べる状況ではない。
コロナが名目上収束し、社会活動が通常に戻ると同時に、業務もコロナ禍以前の業務に戻ろうとしている状況がある。しかし、この3年間余りの間に職場はコロナ禍の状況に合わせた執行体制、業務内容が定着し、コロナ過以前に戻すには業務過多になっている職場が見受けられる。さらにコロナ禍中に異動により職場が変わった職員は従来の業務の姿を承知しておらず苦慮している。加えて欠員や療養休暇や育児休業者などにより、実質的に人員不足の状況にある職場がある。そのような職場の職員は終わりの見えない業務をこなすのに精一杯であり、生活に輝きを見出すことができない状況にある。そのような中でも組合員は市民サービスの維持向上させるため、最適なサービスレベルを提供し続けるため奮闘している。
組合員の中にはメンタルヘルス不調を訴えるものも多くいるようである。このようなことが職員の療養休暇や離職等につながり、職場環境がさらに良くない状況になるという悪循環に陥っている。
これらを改善するためには職場環境の改善、安全衛生活動の充実、風通しの良い職場の実現が求められている。いまこそ副市長には職員の安全と健康が第一であることを表明し、職員が安心して働ける職場を作っていただきたい。
【副市長】
働く環境や働き方について社会全体の考え方、あるいは法律が変わってきている。そのような中、我々もこれからどうしていくかをしっかり考えていなかければいけない時期に来ている。職員が前向きな働き方ができるような、市民のために誇りを持って働けるような環境をどのように作っていくかについて、しっかり協議をしていければと考えている。
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11月10日、要求に対する回答案が示されました。今後、内容を点検し、私たちの労働条件の向上を求めて交渉、協議を進めます。回答案は次のとおりです。
2023賃金改定等に関する要求書(統一要求)への回答書(案)
Ⅰ 基本要求について
⑴ 東京の生活実態および公共サービス職場の業務実態を踏まえ、東京都人事委員会の勧告を最低限とし、再任用職員を含め、すべての職員の賃金および一時金の支給月数を引き上げること。給与改定については、遡及改定を行い年内清算すること。
【回答】
賃金及び一時金の支給水準とその支給方法については、地域の実態を調査し、公務員と比較している東京都人事委員会勧告に準拠している。
また、増改定となった場合の差額分の支給については、条例改正の時期や必要な事務手続きを踏まえ、可能な限り早期に行うよう努める。
⑵ 再任用職員の賃金水準を抜本的に見直をし、改善すること。また、再任用職員の一時金については、定年前職員と同様の支給月数にすること。
【回答】
再任用職員の賃金及び一時金の支給水準についても、地域の実態を調査し、公務員と比較している東京都人事委員会勧告に準拠している。
⑶ 民間と公務の初任給水準の格差が拡大していることから、初任給格付けを引き上げること。昇格昇給等の賃金決定基準の改善、上位昇給の活用などによる、職員の賃金水準の改善と年齢による昇給抑制を廃止すること。
【回答】
初任給については、初任給以外の支給水準等と同じく地域の実態を調査し、公務員と比較している東京都人事委員会勧告に準拠している。
また、昇任時の給与格付けや昇給抑制等についても、東京都の基準に併せて引き続き適切に運用していく。
⑷ 会計年度任用職員の給料・手当について、常勤職員の給与改定に対応した改善を行うとともに、今年度の一時金は勤勉手当引き上げ相当分を期末手当で支給すること。改定にあたっては、常勤職員と同様に遡及改定を行い年内清算すること。
【回答】
会計年度任用職員の給与については、国をはじめ都、他市の状況や民間企業の状況との均衡を考慮し、引き続き協議していく。
また、増改定となった場合の差額分の支給については、条例及び規則改正の時期や必要な事務手続きを踏まえ、可能な限り早期に行うよう努める。
⑸ 会計年度任用職員の2024年4月からの勤勉手当の支給にむけて、12月に条例改正を行うこと。改正にあたっては常勤職員と同月数とし、確実な支給にむけて必要な予算を確保すること。また、勤勉手当を支給するにあたり、月例給(報酬)などの引き下げを行わないこと。
【回答】
会計年度任用職員の勤勉手当の支給については、国や都の状況を踏まえ、適切に対応する。
⑹ 「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」による給与制度の見直しについては労使協議、労使合意を基本とすること。
【回答】
給与制度や勤務労働条件に影響を及ぼす制度の見直しについては、今後も賃金任用制度検討会等で事前協議を行った上で実施していく。
⑺ 諸手当については、地域の実情を踏まえつつ、必要な改善を行うこと。とくに大規模災害対応や感染症に対応する業務にかかる特殊勤務手当(災害応急作業等手当、防疫等作業手当)の新設・拡充をすること。あわせて、燃料費の高騰を踏まえた自動車等による通勤手当を引き上げること。
【回答】
諸手当については、国や都及び他の地方公共団体との均衡を考慮し整備している。
特殊勤務手当については、東京都に準拠し、適切に対応する。
⑻ 公務における働き方改革を着実に推進するため、労働時間を適正に把握するとともに、36協定締結義務職場での協定の確実な締結と締結義務のない、すべての職場での36協定に準じた協定の締結をはかり長時間労働を是正すること。また、ハラスメントの一掃にむけた具体的な防止策の策定にむけ取り組むこと。
【回答】
全庁の時間外勤務を含めた勤務時間については、定期的に開催する安全衛生会議を通して、適正な管理に努めている。
36協定は地方公務員のうち官公署(労基法旧16号職場)以外に勤務する職員に時間外労働を命ずるためには、36協定が必要であるため、職員組合合意のもと適切に協定を結び、時間外労働及び休日労働を管理している。
「八王子市職員ハラスメント防止基本方針」を令和3年(2021年)4月に全面的に改正し、公正な調査と再発防止に向けた措置を定め取り組んでいる。今後もハラスメントの防止に努め、ハラスメント防止の研修等を通じて、職員への働きかけを継続していく。
⑼ 性的マイノリティのパートナーシップ関係にある職員に対し休暇・休業制度及び手当・旅費制度の適用すること。
【回答】
性的マイノリティのパートナーシップ関係にある職員に対する休暇・休業制度及び手当・旅費制度等については、国及び都並びに近隣自治体の状況を考慮し検討する。
⑽ テレワーク、フレックスタイムの導入にあたっては、労働時間の短縮とワーク・ライフ・バランスの観点、とくに育児や介護等の家庭的責任を担う人などが柔軟な働き方をすることにより、両立が可能となるよう、職員の希望に沿う形の柔軟な勤務形態の実現と適正な勤務時間管理を行うこと。あわせて、それらを活用しやすいよう十分な人員を確保すること。
【回答】
テレワークは今年度から本格導入した制度であり、職員個人の希望や各職場の勤務状況に合わせて実施している。実施に当たって、テレワークを適切に実施することができるよう規定整備及びFAQなども整えており、適正に運用している。
⑾ 賃金・労働条件の決定にあたっては、労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告および人事委員会勧告等も踏まえながら、労使交渉・協議の実施とそれに基づく合意によるものとし、労使による自主決着を基本とすること。また説明責任を果たすこと。賃金・労働条件の変更については、計画段階からの事前協議を徹底すること。
【回答】
勤務労働条件の見直しにあたっては、これまでも賃金任用制度検討会等の場を活用して事前協議を行っており、今後もその方針を維持していく。
また、正規職員の給料表及び賞与等については、地域の実態を調査し、公務員と比較している東京都人事委員会勧告に準拠しつつ、本市の実情を考慮するため、毎年労使協議を実施している。
勤務労働状況を変更する場合は、事前協議を実施してあらかじめ労使で合意のうえ行っている。
2023賃金確定闘争独自要求書への回答書(案)
1 八王子市職員組合
⑴ 職場懸案協議を踏まえ、人員配置(再任用を含む)については、各職場の業務の質や量に応じた適切な人数を配置すること。また、新年度に向けた執行体制協議は、職場の混乱を避けるため年内に行うよう努めること。
【回答】
人員体制については、業務の質や量に応じて、会計年度任用職員の活用を含め、適切に対応する。また、職場ごとに経年で変化している業務量や業務の繁閑の状況なども確認し、市全体として均衡を図っていく。
執行体制協議については、早期に提案できるように努めていく。
⑵ デジタル化については、その活用が市民生活の向上及び組合員の労働条件に大きく影響することから、最も効果的な運用方法を探求するとともに、システム運用に関わる組合員を効果的に育成し、切れ目のない市民サービスが提供できるよう人員配置を行うこと。また、デジタル化による人員削減は行わないこと。
【回答】
デジタル化を進めるにあたっては、全庁的なシステム等の最適化と効果的な運用が図れるよう支援していくとともに、デジタル人財育成方針に基づき職員を育成していく。
公務の効率化と市民サービス向上を目的にデジタル化を進めている職場については、業務の内容及び業務量に応じて市全体として適切に対応する。
⑶ これまでの交渉経過を踏まえ、「あり方検討会」の積極的な開催と早期結論を目指すこと。また、採用が必要と認められた場合に賃金任用労使検討会での議論を踏まえ、早急に採用の手続きに入ること。
【回答】
「あり方検討会」をしっかり進め、市職員が直接実施すべき業務を整理する。その上で、必要な採用は行い、適切な執行体制を確保する。
また、採用が必要と認められた場合には、賃金任用制度検討会での検討を踏まえ、適切に対応する。
⑷ 適正な勤務時間を管理することにより、職員の健康を守るため、全ての職場において「36協定」を締結すること。
【回答】
労働基準法第36条に基づく協定については、労働基準法別表1に該当する事業所はすべて協議し締結している。また、該当していない事業所についても「特定事業主行動計画」に基づき、取組を進めていく。
⑸ 職員の高齢化や定年引上げ、出産や育児、介護といったライフスタイルの変化に合わせた特別休暇を充実させること。また、各種休暇の取得しやすい職場環境を整えること。
【回答】
介護や育児など職員個々の状況に応じて働き続けるための休暇制度は、適切に構築している。「特定事業主行動計画」に基づき、制度周知や一人ひとりの状況にあった個別説明などに引き続き努めるなど、各種休暇を取得しやすい職場環境をつくるための取組を進めていく。引き続き、休暇等については国及び他の地方公共団体との権衡を失しないよう各種制度を整備していく。
⑹ メンタルヘルス対策の充実に向けた対策を講じること。また、ストレスチェックの運用については個人情報の保護を図るとともに組合員の不利益にならないよう取扱いに十分配慮すること。あわせて、その結果を有効に活用し職場環境の改善を図ること。
【回答】
メンタルヘルス対策については、安全衛生活動の最重点目標として定めており、相談体制の充実を図るとともに、管理職や一般職員を対象とした研修を実施している。
ストレスチェックについては、関係法令や国の指針に基づき個人情報の保護や不利益な取扱等についての事項を遵守し実施する。また、ストレスチェック結果に基づく集団ごとの集計・分析を実施し、働きやすい職場環境づくりに活用できるようにする。
⑺ 育児休業、長期療養休暇者等への対応として、経験豊かな正規職員での補充を基本とすること。また、それが叶う組織執行体制を構築すること。
【回答】
職場内の人員配置等によって休業等の職員の業務を遂行することが困難な時は、会計年度任用職員アシスタント職等を確保し、適切に対応している。これまで構築してきた会計年度任用職員アシスタント職(特例)制度(旧特例臨時職員制度)を基本として適切に対応していく。
職場の状況に応じて、正規職員や任期付職員を代替配置できるしくみを検討していく。
⑻ 有給休暇の取得促進においては、職員の誰もが特定事業主行動計画で示す日数を上回り取得できる職場環境及び仕組みを整えること。
【回答】
年次有給休暇については、「特定事業主行動計画」に基づき、職員の休暇取得意識の向上及び休暇を取得しやすい職場環境をつくるための取組を進めていく。
⑼ 執務効率を向上させ、より良い市民サービスを提供するため、そして、安全衛生の観点からも適切な執務スペースを確保すること。また、必要な作業スペースや文書収納スペースは作業効率を向上させることができるような場所に設置すること。
【回答】
本庁舎の執務スペースについては、事務室配置基準に基づく職員一人当たりの床面積から算出している。引き続き、本庁舎内倉庫等物品収納場所の整理整頓を推進することで、有効な執務スペースの確保に取り組んでいく。
⑽ 高齢職員の増加に対応するため、また職員の安全衛生上の観点から、パソコン等による情報機器作業においては「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を順守すること。システム機器等の選定の際は安全衛生の観点から事前評価を行うこと。
【回答】
「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」は、すでに遵守している。また、今後新たな情報機器を導入する場合は事前評価についての協議を行う。
⑾ WEB会議のための端末及びスペースを創出すること。
【回答】
行政情報端末からはTeamsを利用したWEB会議が利用可能となっており、一人一台の環境を実現した。また、庁舎外等で行政情報端末が利用できない場合や、Teams以外のアプリケーションを利用する場合は、貸出用のWEB会議端末を用意しており、必要十分の端末数を配備している。
令和3年度に、WEB会議が可能なよう電源がある打合せスペースを本庁舎に設置した。今後も状況に合わせて、有効なスペースの確保に取り組んでいく。