2023 労使懸案協議全体会について
今年は4年ぶりに全部会長、全部長が職員会館に集合し労使懸案協議全体会が開催された。
質の高い公共サービスの提供を実現するための「組織体制」や「人員体制」が整っているかを検証し、職場の懸案の解決を目指す『労使懸案協議』に今年度も取り組みます。
5月1日に取り組みの趣旨を労使で確認するため、「労使懸案協議全体会」を開催しました。組合側については執行部を始め全部会長を、使用者側については全部長職を招集し行いました。この間の新型コロナウイルス感染症により、この形での開催は4年ぶりとなりました。
市民サービス向上には現場職員の政策参加が不可欠!
冒頭、組合側から次のように発言しました。
【組合側】この労使懸案協議の取り組みは、市民サービスを充実させるには現場職員の政策参加が不可欠であるという労使共通の認識に基づき始まった。業務改善を図ろうとすれば、そこに課題が生じることは避けられない。どの職場にも懸案はあるはずである。市民サービスの向上のためにも労使懸案協議の取り組みを管理職の責任により進めてほしい。
人員体制の面を見ると、ここ数年新規採用職員は定員割れとなっている。普通退職者も多い傾向にある。入庁希望者を増加させ、今いる職員を定着させるためには誰もが納得できる人事制度や適切な休暇制度、そしてやりがいのある仕事が求められている。労使懸案協議を働き甲斐のある職場の実現、そして市民サービスの向上に役立てていきたい。
組織改正は業務量や人員体制について十分協議を!
」【組合側】今後の八王子未来デザイン2040の実現に向けた組織改正については業務量や人員体制が適正に保たれるよう十分な協議をお願いする。勤務労働条件の変更の際には事前協議をすることを確認している。勤務労働条件の変更がある場合、所属長は、まずあり方検討会などにおいてしっかり組合員と内容を協議し、職場内での理解を図ったうえでの組合提案をお願いする。その上で執行部も含めた労使間での交渉、妥結、最終的な書面化、というプロセスを経て、勤務労働条件の変更となる。このことは労使関係の基本であり、毎年副市長とも確認している。この機会に改めて確認させていただくと同時に各課長への伝達をお願いする。
懸案抽出にあたり、八王子未来デザイン2040は、その基本構想を「人とひとの支えあい、つながり」としているが、まずは市職員の中でその実現が求められる。未来デザイン2040に伴う組織改正では部名や事務分掌の変更が伴う他、執務場所の変更もあると聞いている。また現在、子育てに関する給付金の事務が始まっているが、給付金事務については、その事務が、国から急に指示されることが多く、これまで給付金事務に対する人員体制も直ちに準備できず、職場は過酷な状況になった。そして現業職場では職員の高齢化が進んでおり、業務継続のためには新規採用が不可欠である。業務のあり方について検討会で議論することが必要だ。職員構成も常勤職員のほか再任用職員、会計年度任用職員、来年度からは定年引上げにより、60歳を超える常勤職員が発生し、それぞれの役割を明確化する必要がある。療養休暇、育児休業取得者を補う人員が求められるが、普通退職者の増加や新規採用職員の定員割れにより欠員の状況が続いている。
人とひとが支えあい、つながる社会の実現のため、そして、市民サービスを向上させるためには市職員が元気に働き続けられる職場、働くことにより自己実現ができる職場環境が必要であり、そのためには安全衛生の活動も欠かせない。
「みんなで目指す2040年の姿の実現」に向け労使懸案協議に取り組む!
使用者側からは次のような発言がありました。
【総合経営部長】
本市ではこの4月、多くの市民が職員と共に未来の八王子の設計図として策定した、八王子未来デザイン2040がスタートした。これからの市政運営は、「みんなで目指す2040年の姿の実現」に向け取り組んでいくことになる。今回の労使間協議はその実現に向けた具体的な取り組みを進めるにあたり、各職場で労使双方の課題を確認していくことができる重要な取り組みになると認識している。
新たな執行体制については組合執行部とも意見交換を行ってきており、この4月の未来デザイン室廃止に伴い、引き続き地域づくりを推進するため、総合経営部の執行体制の変更、また地域通貨の基盤整備を行うためのデジタル推進室の執行体制の変更を行った。今後も八王子未来デザイン2040の実現を図っていくため労使間の協調関係をしっかり保ちながら引き続き協議調整を重ね、市民サービスの向上につながるよう、より良い執行体制にしたいと考えている。そのためには総合経営部と総務部が一体となり所管部と十分に協議をし、一緒に取り組んでいく。
管理職と職員が課題解決に向け議論を!
【経営改革担当部長】
昨年は新型コロナウイルス感染症への対応や国の緊急対策である子育て世帯、住民税非課税世帯等への給付金、またマイナンバーカード普及のための八王子版マイナポイントに関する業務など、多くの職員の応援により実施することができた。組合及び組合員にこの場を借りてお礼を申し上げる。一方、令和5年度当初の執行体制については、昨年度末に退職者や採用辞退者等が発生したため、年度当初に11名の欠員となった。昨今の社会全体の様々な分野で正規非正規に関わらず、人材確保や離職といった問題が顕在しているが、総務部と情報交換、連携しながら、欠員の解消に取り組んでいく。
本日の全体会は全部長と組合執行部、部会が一堂に会し双方の考え方を確認する場であり、非常に重要で意義のあるものと認識している。また、これから始まる労使懸案協議は、職員と所属長の間で課題を共有し解決に向けた取り組みであり、経年での懸案を確認することも大切である。管理職がしっかり本市が目指すビジョンを理解し、組織の目標を設定する。そして、日々の職員とのコミュニケーションを通じ、信頼関係の構築を図っていく必要がある。各部長が職場の課題を認識し、解決に向けた方向性を示したうえで、課長を中心に課題解決に向けて議論を交わし、市職員としてより良い仕事ができる職場づくりにつなげていきたいと考えている。
八王子未来デザイン2040の実現を図るためには適正な職員配置やデジタル技術の活用を最優先に考え、業務の見直しなど、限られた職員の力を最大化する取り組みを推進し、新たな行政需要に対応するマンパワーを確保していく必要がある。自ら考え行動できる職員の力が何より重要であり、労使の共通認識のもと、組合と我々が力を合わせて市民サービスの維持向上に取り組んでいきたい。
今や人を大切にしない組織は生き残れない時代!
【総務部長】
労使懸案協議の取り組みは、各職場における勤務条件に関する懸案事項などについて、所属長が責任を持って解決に向けた方向性や考え方を確認する重要な機会だと考えている。労使懸案協議を進める大前提として、これまでの労使の信頼関係の下で築きあげてきた基本的な労使間のルールである自主交渉自主決着、そして交渉サイクルをこれまでどおりしっかり実施していきたい。
職員の働き方については、八王子未来デザイン2040に合わせて策定した新たな人財育成基本方針に基づき、職員が持てる能力を最大限発揮できるよう、働きやすく働き甲斐の持てる環境づくりを進めていくこととしている。しかし、現状は複雑化多様化する行政ニーズへの対応に加え、この間の新型コロナウイルス感染症や緊急経済対策への対応が重なり、業務が増加したことで、改善の兆しはあるものの、長時間勤務の縮減や休暇の取得が進まない状況があると認識している。また、少子高齢化の課題が組織内にも顕在化しており、育児や介護などの実状を抱える職員が休暇制度を安心して利用できる環境の整備や、今年度からの定年年齢の引き上げに伴い、今後は職員構成に占める高齢期の職員の割合が高くなる中で、その知識や経験を活かしながら、やりがいの持てる働き方を実現することが、組織の生産性の維持向上を図ったうえで重要な課題の一つだと認識している。一方、組織の外に目を向けると生産年齢人口が減少していく中で人財獲得競争が激化し、雇用の流動性も高まってきている。今や人を大切にしない組織は生き残れない時代だと言われている。貴重な人財の確保と定着のためには何よりも第一線で働く職員達の声をしっかりと受け止めなければならない。この労使懸案協議を通じて、職員の働き方に関する様々な懸案を洗い出し、労使が協調して解決に向けて取り組み、多様な職員がワークライフバランスを保ちながら、やりがいを持って働ける職場の実現につなげていきたい。市側としても未来志向で協議を重ねていきたいと考えている。組合の皆さんには本日をスタートとしてこの取り組みに協力をしてほしい。また、職場内のコミュニケーションを活性化するという観点からも取り組みへの協力をお願いする。